イーサリアム(ETH)のステーキングは、ただ「利息がもらえる仕組み」ではなく、ネットワークの安全性を支える重要な役割を果たしています。整理すると以下のようになります👇
🛠 ETHステーキングの仕組み
- Proof of Stake(PoS)方式
イーサリアムは2022年の「The Merge」でPoWからPoSに移行しました。PoSでは、マイニングの代わりにETHを「担保」として預けることで、トランザクションの検証やブロック生成に参加できます。 - バリデーター(Validator)
- 自分でバリデーターになるには 32 ETH をロックする必要があります。
- 正しく検証すれば報酬(年利3〜6%程度が目安)が得られます。
- 不正や長時間のオフラインは「スラッシュ」と呼ばれる罰則でETHを失う可能性があります。
- ステーキングの方法
- 自己運用(フルノード):32 ETH必要、技術知識必須。
- 取引所ステーキング:BinanceやCoincheckなどで少額から可能。
- リキッドステーキング(Lido, Rocket Poolなど):ETHを預けると「stETH」「rETH」などの代替トークン(LST)が発行され、流動性を保ちながら報酬を得られる。
⚖️ メリット
- 受動的収入:銀行の利息のようにETHが増える。
- ネットワーク貢献:セキュリティ強化に参加できる。
- リキッドステーキングなら流動性維持:ETHをロックせずにDeFiでさらに運用可能。
⚠️ リスク
- 価格変動リスク:ETH自体の価格が下がれば、報酬以上に損失が出る可能性。
- ロック期間:自己運用や一部取引所では、解除に時間がかかる。
- スマートコントラクトリスク:Lidoなどのプロトコルがハッキングされる可能性。
- デペッグリスク:stETHなどのLSTがETHと1:1で交換できなくなるケース(過去に一時的に発生)。
- スラッシュリスク:バリデーターが不正や障害を起こすと担保ETHが削減される。
まとめ
ETHステーキングは「利息を得ながらネットワークを支える仕組み」で、長期保有派には魅力的。ただし、価格変動・ロック・スマートコントラクトの脆弱性といったリスクを理解して選ぶことが重要です。
✅ ETHステーキングの「自己運用(ソロ)」「取引所」「リキッド」の3方式を、利回り・リスク・運用難易度で整理した比較表を作りました。
ETHステーキング方式の比較表
| 方式 | 利回り(目安) | 主なリスク | 運用難易度 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 自己運用(ソロステーキング) | 約3〜5%(手数料なし、MEV最適化で上振れも) | – スラッシュ(不正・長時間オフラインでETH没収) – 技術的障害による損失 – 32 ETH必要で資金拘束 |
★★★★★(非常に高い) | – 完全セルフカストディ – 報酬を最大化できる – ネットワーク貢献度が最も高い |
| 取引所ステーキング(CEX) | 約2〜3%(取引所手数料控除後) | – 取引所のカストディリスク(ハッキング・破綻) – 出金制限や待機時間 – 集中化リスク |
★★☆☆☆(低い) | – 少額から可能 – ワンクリックで簡単 – 出金に時間がかかる場合あり |
| リキッドステーキング(Lido, Rocket Poolなど) | 約3〜5%+DeFi運用で上乗せ可能 | – スマートコントラクトの脆弱性 – LST(stETH, rETHなど)のデペッグリスク – プロトコル依存リスク |
★★★☆☆(中程度) | – ETHを預けるとLSTを受け取り流動性維持 – DeFiで複利運用可能 – 少額から参加可能 |
【参考】利回りはネットワーク全体のAPR(約3%前後)を基準に、手数料やDeFi活用で変動します。
まとめ
- 最大リターン重視 → 自己運用(ただし32 ETHと高い技術力が必須)
- 手軽さ重視 → 取引所(ただしカストディリスクあり)
- 流動性+複利運用 → リキッド(DeFi活用で効率的だがスマコンリスクあり)
リキッドステーキングは「ETHをステーキングして報酬を得ながら、同時に流動性を維持できる仕組み」です。通常のステーキングでは資金がロックされますが、リキッドステーキングでは 代替トークン(LST: Liquid Staking Token) を受け取ることで、資金を「寝かせずに」活用できます。
以下に、典型的なフローを整理しました👇
🔄 リキッドステーキングのフロー
- ETHを預ける
- ユーザーは Lido、Rocket Pool などのリキッドステーキングプロトコルに ETH を預ける。
- 預けられたETHはプロトコル側でバリデーターに分散され、ネットワークのステーキングに参加。
- LST(代替トークン)を受け取る
- 預けたETHと同等の価値を持つトークンが発行される。
- 例:Lido → stETH、Rocket Pool → rETH。
- このLSTは「引換券」のような役割を持ち、いつでもETHに戻せる(ただし市場状況によってはデペッグの可能性あり)。
- ステーキング報酬が反映される
- 預けたETHは裏でステーキングされ続け、報酬が発生。
- 報酬はLSTの価値や数量に自動的に反映される(stETHはリベース型で数量増加、rETHは価値上昇型)。
- LSTをDeFiで活用
- LSTは自由に売買・送金できる。
- DeFiプロトコルで担保にして借入、流動性プールに提供、レンディングで利息獲得などが可能。
- これにより「ステーキング報酬+DeFi利回り」の二重収益を狙える。
- アンステーキング(換金)
- LSTをETHに戻す方法は2つ:
- プロトコル経由の引き出し(待機時間あり)
- DEXなどで売却(即時だが市場価格次第でデペッグリスクあり)
- LSTをETHに戻す方法は2つ:
⚖️ メリットと注意点
- メリット
- ETHをロックせずに報酬を得られる
- DeFiで複利運用が可能
- 少額から参加できる
- 注意点
- スマートコントラクトの脆弱性
- LSTのデペッグリスク(例:stETHがETHより安く取引されるケース)
- プロトコル手数料(Lidoは報酬の約10%を徴収)
stETH(Lidoのリキッドステーキングトークン)は「ステーキング報酬+DeFi利回り」を組み合わせられるので、戦略設計の幅が広いです。代表的な具体例を整理しました👇
🔑 stETHを使った代表的なDeFi戦略
1. レンディング担保戦略(Aave, Compoundなど)
- フロー
- ETHをLidoでステーク → stETHを受け取る
- stETHをAaveに預けて担保化
- USDCやDAIを借り入れる
- 借りた資金で再びETHを購入 → 再ステーキング
- 狙い
- レバレッジを効かせてステーキング報酬を複利化
- 「ステーキング報酬+レンディング利息+再投資効果」
- リスク
- 清算リスク(ETH価格下落時)
- 金利変動リスク
2. 流動性提供戦略(Curve, Balancerなど)
- フロー
- stETHとETHをペアにしてCurveの「stETH/ETHプール」に流動性提供
- LPトークンを受け取り、さらにConvexなどでステーキング
- 狙い
- ステーキング報酬+取引手数料+インセンティブ報酬
- ETHとstETHの価格差(デペッグ)を埋めるアービトラージ的役割も担う
- リスク
- インパーマネントロス(ETHとstETHの価格乖離)
- スマートコントラクトリスク
3. イールド最適化戦略(Yearn, Mellow Financeなど)
- フロー
- stETHをYearnやMellowのVaultに預ける
- Vaultが自動で最適なDeFi戦略(レンディング・流動性提供・ファーミング)を実行
- 狙い
- 自動で利回りを最大化
- 運用の手間を省きつつ複利効果を享受
- リスク
- プロトコル依存リスク
- Vaultの戦略が想定通りに機能しない可能性
4. ステーブルコイン運用戦略
- フロー
- stETHを担保にしてUSDC/DAIを借入
- 借りたステーブルを安全運用(例:USDCを短期利回りプールに)
- 狙い
- ETH価格変動リスクを抑えつつ、ステーキング報酬を維持
- 安定収益+ETHロングポジションの両立
- リスク
- 清算リスク(ETH急落時)
- ステーブルコインのペッグ崩壊リスク
📊 戦略比較(ざっくり)
| 戦略 | 期待利回り | リスク | 難易度 |
|---|---|---|---|
| レンディング担保 | 高(複利効果) | 清算リスク大 | 中〜高 |
| 流動性提供 | 中〜高 | インパーマネントロス | 中 |
| イールド最適化 | 中 | プロトコル依存 | 低 |
| ステーブル運用 | 中 | 清算+ステーブルリスク | 中 |